屋久島地杉の香りに包まれた客室で悠々と過ごす

山形県上山温泉郷の中でも最古の温泉地と言われる湯町。
長禄2年(1458年)に開湯した上山温泉の原泉近くに佇む「花明りの宿 月の池」が、2022年の冬、リニューアルを果たしました。

こちらを手がけたのは、山形を拠点に持つ設計事務所「株式会社アーキテクチュアランドスケープ」様。“風景が生きる建築をつくる”というコンセプトを掲げ、その土地や、そこに住む人の背景に重きを置いた設計、環境デザインを実践されています。

香りや手触りから安らぎを

宿泊客の大半が館内で過ごすという同宿。必要な遮音性能や断熱性能を改善しつつ、温泉宿ならではの心地よさを得られるように、「和の寛ぎ」や「洋の快適性」を取り入れたモダンな空間へと生まれ変わりました。

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一枚目:白を基調とした客室の天井には、シンプルな木肌が特徴のヘム(栂)パネリングをご採用いただきました。
二枚目:天井にはあえて照明を付けず、間接照明により落ち着きのある空間を演出しています。

今回改築した3つの客室「柚子花(ゆずは)」「茜(あかね)」「空木(うつぎ)」の内装材には、弊社独自のプロジェクトによる『屋久島地杉』を随所に採用。地杉の力強い表情に、ほんのりと白く塗装を施したことで、優しく、温かみのある空間を演出しています。壁紙には、調湿作用のある珪藻土クロスをお選びいただきました。訪れた人の手や足に触れる場所へ木や珪藻土といった天然素材を用いたことにより、香りや手触りから心身に安らぎを与えます。

屋久島地杉をふんだんに使用した客室

元々純和風の畳敷きだった「茜」は、地杉を使った小上がりのスペースに、低床のベッドを設えたことで「洋室の快適性」を体現しています。さらに、腰壁にも屋久島地杉を採用し、木の香りに囲まれた心休まる空間に仕上がりました。比較的広さに余裕のある「柚子花」は、畳敷きとフローリングを併用し、その床材として地杉を全面に使用しています。(hieshima)

「柚子花」の造り付けベンチは屋久島地杉 羽目板(無節)を使用しています。

採用商品
屋久島地杉羽目板節無 無塗装
アッシュ巾ハギフリーボード
ヘムパネリングクリアグレード 

設計監理
株式会社アーキテクチュアランドスケープ(HP
Address: 〒990-2402 山形県山形市小立3丁目3-20-101

施工
菊池技建(HP
〒990-2481 山形市あかねヶ丘1-11-24(本社)